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B型らしい「インド式プレゼンテーション」


ABO血液型を国別で語るとき、よく引き合いに出させていただくのはインドです。日本の国民性がA型色が強いのに対して、インドという国が、A型と対照的なB型色の強いお国柄なので、なにかと比較しやすいからです。


インドに旅したことのある日本人に聞くと、大抵の方は「カルチャーショックを受けた」とおっしゃいます。最近は、海外の情報も受け取りやすくなり、インドについて知る人もだいぶ増えたに違いないですが、それでもやはり、街なかを、牛や自転車、荷車にバイク、人も、車も、縦横無尽に行き交うのを見たりすると、その混沌ぶりに仰天してしまったわけです。


若い頃、私も一度だけインド北部を旅したことがあります。私の場合は、あまり"国"見知りをしない方で、そこまで大きな衝撃はなかったのですが、それというのは私のAB型的な性質のせいで、面白さの方が先に立っていたからだと思います。これはやはり、日本のA型の人々が、最もカルチャーショック度合いが大きかっただろうと想像できます。


では、日本のB型の人々はどうなんだろうというと、今度は打って変わって、「まるで故郷に帰ったかのよう」に、郷愁を感じる人が多いのだそうで、何度でも訪れたくなるというのです。A型社会で少々生きづらさを感じるB型にとって、インドこそが癒される国というわけです。日本は、A型も多いですが、B型もそれなりにいらっしゃる。どちらにしても日本人にとって、インドという国はインパクトのある国なのでしょう。


それから数十年も経った現在のインドは、経済的にも急成長を遂げ、インフラも整備されたようです。それに最近は、「ITに強い知的なインド人」のイメージも定着しているので、インドに対する見方もずいぶん変わってきています。とはいえ、根底にあるB型的性質の国民性というのは、今もなお健在のようです。ある時、インドに詳しい歴史家のS女史が、インド人たちの"プレゼンテーションの仕方"について語っていました。


その方によりますと、インド人の彼らはまず、結論を先に言うのだそうです。そうした後に、「なぜなら~」と始めるのだそうです。もしも、たとえば…日本人によくあるように”前置き”の説明が長かったりすると、「短くしろ!」「結論はなんだ!」と、すぐにヤジが飛ぶのだとか。これこそまさに、B型とA型の違いといえます。


そして彼らは、討論するのも好むのだそうで、参加者は、それぞれに自分の意見をちゃんと持っているといいます。ところが不思議なことに、10人の参加者がいたとして、それなのに、12種類の意見が上がることもよくある。ということは、つまり、1人で、2つの異なる意見を提示している人がいる、ということになりますね。B型は、常にアイディアを豊富に持っているので、こっちもあるけど、こっちってのもあるよ、みたいな、そんなB型がいるということでしょうかね。


あるいは彼らは、討論している最中に、途中で相手の意見に賛同してしまうことも、しばしばあるそうです。始めは全く違う意見を持っていたのに、相手の話を聞いているうちに、「なるほど、それも分かるよ」「それもいいよね」という感じになっていくのでしょう。さすが、柔軟思考のB型。思うに、もしも話合いながら、それぞれの意見を統合し、より質の高いものにしていくことになるなら、それに越したことはない気もいたします。しかし日本人的な感覚からすれば、「あら、すぐに意見が変わっちゃうのね」ともなってしまいそうです。


B型には、「話せばわかるはず」、「話せば何とかなる」、という考えが根底にあるのですが、それはもちろん、自分がそうだからです。それに、話し上手、口説き上手で、相手を自分の懐に入れてしまうのが得意なB型も、少なからずいらっしゃるのです。


その点、日本などは、そもそも”討論する”こと自体に慣れていません。相手の意見に安易に同調もしないし、むやみに激論になるのも避けたくて反撃もしない、ということが多いように思います。すると、そういう風習の日本にいるB型たちは、いったいどうするのかしら…。


まあ、それは「根回し」なんですね。公開討論に上がる前に、裏で話をつけておくというわけです。それで、『根回しのB』なんていって、B型の立ち回りの上手さや、悪くすると暗躍ぶり?を、皮肉ったりしてきました。でもそれは、日本社会のB型に目立った行動で、本来はインドの人たちのように、討論しながら異なる意見を示し合い、それらを統合していくことこそ、B型の本領発揮なのかもしれません。


まあ日本のことはひとまず置いておくとして、歴史家のS女史いわく、インドという国には常に「独自のスタイルがあり、たとえ他国と手を組んだとしても、どこの国の言いなりにもならない国」なのだそうです。確かにインドには、古くからの独特の文化、哲学、歴史があります。それは大へん奥が深く、血液型だけで語れるものではありませんが、とはいえ、そこには少なからずB型たちの影響があるのだろうと、改めて思うのです。


そういえば、私にはB型インド人の友人がおります。彼は、小さなインドレストランを経営しているのですが、時々彼の相談にのりながら、おそらくここ日本社会で、自分の良いところを充分発揮できずにいるんだろうと、気の毒になることがあります。そんなとき私が、

「インドには帰らないの?」

と聞くと、彼は、

「帰りませんよ~帰る時は、日本で成功したときです」

と答えるのです。


A型国の日本で、B型国インドのB型さんが、果たしてどのように成功の道をたどるのか…見守ってゆきたいところであります。



​© 2004 by Humanscience ABO center

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